以前、食堂のスタッフとして働いていた運送会社で、300台以上もあるトラックの中に4台だけのトレーラーを見つけました。大型トラックはたくさんあるのに、トレーラーは少数。そのことになぜだかとても魅力を感じて、「いつか自分がこれを動かしたい」と思うようになりました。
運送会社を辞めたと同時にまずは大型免許を取りに自動車学校へ。当時は介護職に就いていましたが、1時間しかない昼休みを利用して毎日必死に通いました。免許が取れたら、トラックに乗れるあてもないのに退職。道に停まっているドライバーをつかまえては「あなたの会社で女性ドライバーを募集していないか」と声をかけて回りました。
そんな生活が7カ月くらい経つと、やっと女性の私を雇ってくれる会社が。そして、そこで働きながら、今度はトレーラーの免許を取りに行きました。
一目見た時から、トレーラーの虜。夢が叶った今は、乗っているだけでとても幸せです。何と言っても動きが面白い。大型トラックにはない迫力感が魅力です。

仕事は、コンテナを引き取ったり、差し替えたりする専属のドライバーです。配車係の指示に従い、ドライバーがスムーズに配送できるように段取りをする準備係のようなものです。段取りが命な仕事だけに、自分のミスが周りに大きな迷惑をかけてしまうことも。コンテナを落として荷物を傷めてしまう、トラックの部品を壊してしまう…といった事態が起きると、何時間ものロスが生じてしまいます。またトレーラーの動きは乗った人にしか分からない複雑なもの。大型トラックでは行ける場所も、トレーラーでは隣の車に当たってしまうこともあります。だからこそ、いつも細心の注意を払って仕事に取り組んでいます。
女性ドライバーは当社に一人なので、必然的に注目されますが、自分ではそれほど気負ってはいません。それよりも、トレーラーに乗っていることを本当に楽しく感じています。今後はもっと効率よく業務ができるように頑張りたいです。配車係と連携して、ドライバーがロスなく配送できるお手伝いを実現していきます。